トラブル事例QA-T-004
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良
焼付温度の不足により碁盤目試験で剥離した事例。ヒータ断線と記録計の見落としが原因。

発生事象
出荷前の抜取り検査で実施した碁盤目試験において、塗膜が基材から剥離した。対象は前日の午後に乾燥炉 DR-01 で焼付けたロットで、剥離面積は分類2(15%から35%)であり不合格となった。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第1段落・2026年2月7日改訂
影響
当該バッチ64個を隔離し、全数を剥離・再塗装した。出荷を2日間延期し、顧客へは事前連絡のうえ了承を得た。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第2段落・2026年2月7日改訂
調査
記録計のチャートを確認したところ、当該バッチの炉内温度は最高142度で、標準条件の160度に対して18度低かった。炉内に熱電対を設置して測定したところ、上段と下段で32度の差が生じていた。点検の結果、3本のヒータのうち1本が断線していた。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第3段落・2026年2月7日改訂
原因
ヒータの断線により炉内温度が上がらず、焼付温度が不足したことが直接の原因である。記録計は連続記録されていたが、運転者がチャートを目視確認する手順がなく、温度低下に気付かないまま次のバッチへ移行した。制御用温度計は炉の上段に設置されており、下段の温度低下を検知できなかった。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第4段落・2026年2月7日改訂
暫定処置
断線したヒータを交換し、温度分布を再測定して偏差が±5度以内であることを確認した。隔離したバッチは全数を再塗装し、再度の碁盤目試験で合格を確認したうえで出荷した。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第5段落・2026年2月7日改訂
恒久対策
記録計に上下限警報を設定し、設定温度から±10度の逸脱でブザーが鳴る構成とした。温度管理手順書に、バッチ終了ごとの記録確認と、逸脱時の製品隔離を明記した(MF-M-007 第8項)。温度分布測定を6か月ごとの定期作業とした。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第6段落・2026年2月7日改訂
水平展開
熱処理を伴う全工程(乾燥炉、予熱炉)について、温度記録の確認者と確認タイミングを作業標準に明記した。ヒータの断線検知については、電流値の監視を次期更新時の要件に加えた。
事例: 乾燥炉の温度低下により塗膜の密着不良(QA-T-004)第1.0版 第7段落・2026年2月7日改訂
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版の履歴
- 第1.0版
2026年2月7日
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