トラブル事例QA-T-001
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる
連続運転中に外径寸法が上限側へ推移した事例。主軸の熱変位が原因で、暖機と中間補正で解決した。

発生事象
NC旋盤 LT-02 で加工していた軸部品の外径φ32h7について、午前中は公差中央で推移していたが、午後の抜取り検査で上限を0.008mm超過する製品が発見された。同一プログラム、同一工具での連続運転中に発生した。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第1段落・2026年3月27日改訂
影響
当日の生産数420個のうち、上限を超過した38個を不適合として隔離した。うち12個は手直しにより救済し、26個を廃棄した。後工程への流出はなく、顧客への納入遅延も発生しなかった。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第2段落・2026年3月27日改訂
調査
工具摩耗を疑い刃先を確認したが、摩耗量は0.03mmで交換基準内であった。時系列で寸法を並べたところ、始業から約4時間で連続的に0.01mm大きくなる傾向が確認された。主軸台の表面温度を測定したところ、始業時22度に対し、4時間後は41度であった。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第3段落・2026年3月27日改訂
原因
主軸の温度上昇に伴う熱変位により、刃先とワーク中心の相対位置が変化したことが原因である。当日は空調の設定変更により室温が例年より3度高く、熱変位が通常より大きく現れた。暖機運転が10分と短く、熱的に安定しない状態で量産に入ったことも助長した。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第4段落・2026年3月27日改訂
暫定処置
当日は、2時間ごとに測定値を確認し、工具補正値を手動で修正することで公差内に収めた。隔離した26個については、品質保証課の判定により廃棄とした。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第5段落・2026年3月27日改訂
恒久対策
運転手順書を改訂し、暖機運転を500min-1で10分、1,500min-1で5分の二段階とした(MF-M-001 第4条)。あわせて、連続運転時の抜取り頻度を20個ごとから10個ごとに変更し、傾向管理図で推移を見える化した。検査室と加工エリアの室温管理を空調設定の変更手順に組み込んだ。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第6段落・2026年3月27日改訂
水平展開
同型機 LT-01 および LT-03、ならびにマシニングセンタ MC-01 と MC-02 にも同じ暖機手順と抜取り頻度を適用した。公差幅が0.02mm以下の品目については、加工開始時刻を記録し、午後の初品を必ず全寸法測定することとした。
事例: NC旋盤の外径寸法が午後に大きくなる(QA-T-001)第1.0版 第7段落・2026年3月27日改訂
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版の履歴
- 第1.0版
2026年3月27日
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