トラブル事例QA-T-006
事例: 超硬エンドミルの連続折損
同一工程でエンドミルが3本連続折損した事例。切削条件の誤転記と突出し長さが原因。

発生事象
マシニングセンタ MC-01 のポケット加工工程で、φ8mmの超硬エンドミルが3本連続して折損した。いずれも加工開始から2分以内に発生し、1本目は工具のみ、2本目と3本目はワークにも打痕が生じた。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第1段落・2026年4月14日改訂
影響
工具3本(約4万5千円)を損失し、ワーク2個を廃棄した。原因究明のため当該機を4時間停止し、後続の加工計画を他機へ振り替えた。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第2段落・2026年4月14日改訂
調査
加工プログラムの切削条件を確認したところ、送り速度が毎分420mmと設定されていた。工具メーカの推奨条件は毎分180mmであり、2.3倍の送りであった。プログラム作成時の条件表を確認すると、同径の超硬ドリル用の条件が誤って転記されていた。また、工具の突出し長さが35mmで、推奨の25mm以下を超過していた。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第3段落・2026年4月14日改訂
原因
条件表の誤転記による送り速度の過大設定が主原因である。突出し長さの超過により工具の剛性が低下していたことが、折損を早める要因となった。新規プログラムであったが、試し切削を送り速度100%のまま実施しており、異常の兆候を検知できなかった。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第4段落・2026年4月14日改訂
暫定処置
送り速度を毎分180mmへ修正し、工具の突出し長さを22mmに変更した。修正後の条件で試し切削を行い、主軸負荷率が定格の55%で安定することを確認した。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第5段落・2026年4月14日改訂
恒久対策
切削条件表を工具種別ごとに色分けし、ドリルとエンドミルの条件を同一ページに並べない様式へ改めた。プログラム作成後、生産技術課による条件レビューを必須とした。運転手順書に、新規プログラムおよび改訂後の初回加工では送りオーバライドを50%以下で開始することを明記した(MF-M-003 第6項)。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第6段落・2026年4月14日改訂
水平展開
直近6か月に新規作成した加工プログラム22件について、切削条件をメーカ推奨値と照合した。うち3件で送り速度が推奨の1.5倍を超えていたため修正した。工具の突出し長さは、ツールプリセッタでの測定時に上限判定を行う運用とした。
事例: 超硬エンドミルの連続折損(QA-T-006)第1.0版 第7段落・2026年4月14日改訂
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版の履歴
- 第1.0版
2026年4月14日
最新版・表示中